今から10年以上前のことです。
すみません、私的なことです。
車の運転中、FMラジオでお米不足のニュースを耳にしました。
県内の米どころ・南魚沼からの中継が流れていて、ふと10年前に社員旅行で訪れた温泉旅館のことを思い出しました。
旅館に到着して、夕食までの間にマッサージをお願いしたのですが、そのとき担当してくださったのが、元気で明るい60代半ばくらいの女性。
「お客さん、足がすごく疲れてるね。立ち仕事なの?」と声をかけてくださり、そこからケーキ屋をしていることを話したところ、
「実は私も昔、東京の銀座でケーキ職人だったのよ」と、びっくりするようなご縁がありました。
「え!そうなんですか?」と盛り上がり、昔の東京のケーキ屋さんの話や、その頃は“パティシエ”なんて言葉はなかったことなど、たくさんのお話を聞いて、けらけら笑って、とても楽しい時間でした。
あの社員旅行は、本当に楽しかったな、と今でも思い出します。
それからというもの、縁とは不思議なもので、
マッサージ師さんはお米の収穫の時期になると、南魚沼産コシヒカリの玄米を送ってくださるようになり、私はお礼にチョコレートを贈る。
お店にも遊びに来てくださって、笑顔で握手をして、「また近いうちに会いに来るね」と言ってくれる。
ところが、その後コロナ禍になり、しばらく会えなくなりました。
そんなとき、電話で「無理しないでね。いつもあなたの健康を祈ってるからね」と、泣きたくなるような優しい言葉をかけてくださったんです。
スタートは温泉のマッサージから…、そんなお付き合いが、気づけばもう10年。
それ以上に、ずっと近くに居てくれる人のような気がしています。
実は、その彼女が今、闘病中です。
昨年の電話ではとても元気がなかったけれど、今年の春にかかってきた電話は明るい声で、ホッと胸をなでおろしました。
私も、ずっと彼女の健康を祈っています。