今日はとても暖かい一日でした。

空が青く、抜けるような青空。

 

本日のお昼、30年以上お付き合いのある、フランス料理「ボンナペティ」さんのムッシュが、お店にいらっしゃいました。

(「ボンナペティ」さんは、2019年に奥様の闘病のため、40周年の記念イヤーでしたが、お店を閉店されました。奥様は2020年春に逝去されました。)

 

バレンタインデーに、チョコレートを宅配便で送ったところ、とても喜んでくれて、「春になったらケーキ買いに行くね」と。

この青空で、春まで待てずに、ウズウズして出かけたくなったよと、JR越後線・電車で来られました。

体調がすぐれない、、、という話を聞いていたのですが、久しぶりに会ったムッシュは、いつものとおり、おしゃれで素敵でした。

もう78歳になったよ、と。

 

30年以上前に「ボンナペティ」さんに、食事をしたときの美味しさと、お店の居心地の良さは、今でも忘れられないのです。

陽気なムッシュとマダム。

食後は、おしゃべりが弾んで、ご夫婦と1時間くらい話し込んだこともありました。

自分の抱えている悩みなんて、お二人の前では、ほんの小さな通過点。「悩みなさんな。」の一言で終わってしまう。

 

フランスに着の身着のまま自転車で旅した話、自転車で県外遠征のお話。珍道中を聞いてゲラゲラ笑って。

モンサンミッシェルで、ブルースウィルスにあった時の話とか…。

人間的な魅力あふれるお二人。

古町に行ったらいつでも会える、いつでも美味しい食事と楽しいお話。最後にはお店の前でお二人が大きく手を振って、帰路に就く。

私が持参した保冷バッグに入れたケーキ。帰りにはその保冷バッグの中に、お酒やハムなど入れてお土産をいただいたり。

最後にお店で食事をしたのはいつだったんだろうかと。

奥様が病に倒れて、店じまいをして、コロナ禍に入り、奥様が亡くなって…。

思い返していくと、辛くて、いろんな後悔が頭の中を巡ります。

 

 

ムッシュは1時間滞在して、電車で帰って行かれました。

近くの北吉田駅まで私が送りました。

駅のホームで、さすがにハグはできないけれど、握手をして見送りました。今度は私が大きく手を振って。

「洋子さん(奥様)は、幸せだったと思うんだよね、楽しい人生だったと思うよ」と、ムッシュは自分に言い聞かせるように言っておられました。

 

駅でお客様にばったり会って、「素敵なおじさまですね!おっしゃれ~」と言われました。そうなんです。素敵な素敵なムッシュです。

いつまでも、元気で、おしゃれで、素敵でいてください。